キャスティング用ベイトリールにPEラインを巻いて使用すること。
メリットが多い反面、強いデメリットも語られるので結構マニアックなタックルとされてきましたが、最近のベイトリールは本当にトラブルレス性能が高く、どんどんデメリットは少なくなってきています。
ベイトPEのメリットとデメリット
メリット
・フロロやナイロンに比べて細くて強い(直線強度)為、糸巻き量を多くしたり、より細い糸を使える。
・上記と糸が軽量なのが相まってスプールの立ち上がりが良く、軽量ルアーの扱いが楽。
・リーダーの太さや長さを変える事で色んな釣りに対応可能。
・テンションがかかっている時の感度が良い。
デメリット
・細さとしなやかさからくる「糸がみ」が起こる。
・上記の理由で修復不可能なバックラッシュを起こす場合がある。
・糸が軽い為、沈まない、風の影響を受けやすい。
・急ブレーキがかかるようなバックラッシュが起こり、糸が切れてしまう「高切れ」が起こる場合がある。
・スレに弱い。
・テンションがかかっていないと感度が悪い。
糸がみ、迷宮バックラッシュ、高切れ
今回はデメリットでよく言われる糸がみ、バックラッシュが修復できない、高切れについて個人的見解・対応策を書いていきたい。
「糸がみ」
これは何故起こるのかというと、細くて柔らかいライン同時がざらざらで食い込みやすいことから起こる。
例えば魚を釣ったり、根掛かりを引っ張ったりすると、ラインがスプールのラインに食い込んで、その直後のキャストは強くブレーキがかかってまともに飛ばないか、最悪回転が滞ることでバックラッシュする場合がある。
糸がみの対応策は簡単、ラインに強いテンションがかかった直後はブレーキを強めるかサミングをして、食い込みが解消されるところまで軽くキャストをすること。そうする事でラインの食い込みを外すことが出来る。よく捨てキャストと呼ばれる手法。
「迷宮バックラッシュ」
これはまず誤解している方が多い。
軽いバックラッシュならむしろフロロ等より修復は容易、ラインがしなやかな分糸をほぐしやすいし、フロロのようにラインが浮いてどう絡んでいるかわからないという事はあまり無く、よく観察すれば絡んでるポイントを見つけやすい。そもそもPEは浮いたラインがしなやかで絡みやすくて起こるので、フロロなどとはバックラッシュの仕方が違うことが多い。
問題はある程度激しくバックラッシュした場合。
これは食い込みやすい性質から、絡んでいる部分が糸の奥に行ってしまっているパターン。
引っ張ってもより食い込むし、つまみたい部分は糸の奥に隠れているしでどうしようもない。
1度釣針でほじくって修復出来たことがあるが、もちろんラインに傷が付いているのでいつラインブレイクしてもおかしくない、幸い?魚は釣れなかったので切れなかったが笑
なので、対応策としてはまず糸がみバックラッシュを捨てキャストで予防、それに加えてブレーキ設定が肝になる、その辺は最後にまとめます。
「高切れ」
これは個人的に1番嫌いなトラブル。だってルアーが飛んでいくから笑
何回やったか思い出せないくらい高切れしたなぁ。ルアーやラインもめちゃくちゃ投げ捨てた、本当申し訳ない。
高切れはPEラインの特性として非常に伸びにくいところからくる、前述したフロロとは違う急ブレーキがかかったようにバックラッシュをすると、ルアーの速度と重さが一気にラインに乗る、でも伸びない、切れる、といった具合。
この低伸度のお陰で感度が良いという面もある。
この伸びない特性からくる高切れはラインを太く強くしても結構起こる、経験上PE3号でも38gのかっ飛び棒をフルキャストでがっつんブレーキ(急ブレーキバックラッシュ)すると飛んでいく笑PE4号だと切れなかったが、その分リールにはとんでもない負荷がかかっているだろう。
この「がっつんブレーキ」が曲者で、これをいかに起こさないかで高切れともサヨナラできる。
がっつんブレーキはバックラッシュとは少し違う。
バックラッシュはラインが放出するスピードよりスプール回転速度が上がりすぎると糸が浮いてぐちゃぐちゃと絡まるが、がっつんブレーキはルアーの速度が速い段階でこの浮いた糸同士が引っかかり超急ブレーキを起こす、バックラッシュとは絡むタイミングが違う。
対応策は糸を浮かさない事、つまりブレーキを強める事。というとなんだよって思われるかもしれないけど笑
そこも含めてPEトラブルを解消する為に自分が実践していることをまとめてみました。
PEトラブル対応策まとめ
・4本組のPEを使う
・ロングリーダーにする
・キャストを淀みなく行う
・ブレーキを弱めすぎない
・捨てキャストを活用する
PE4本組を使う理由
コシがあるので糸が浮いた時にバタつきにくく、がっつんブレーキに繋がりにくい事と、ごわごわしていて糸がみも起こり辛いし、バックラッシュした時にほどきやすいです。
糸鳴りが大きかったり、号数あたりの直線強度は落ちますが、上記のメリットの方がベイトでは大きいので採用しています。
ですが最近は精神的にも技術的にもがっつんブレーキしにくくなってきたので、8本組のメリットをとって8本組を採用することもあります。
ロングリーダー
ロングリーダーはめちゃくちゃメリット盛り沢山です。正直1番の対応策です。
まずがっつんブレーキを起こしてしまった際にリーダーがクッションになる事で高切れをある程度防げます。
どこまで防げるかは分かりませんがロングリーダーを採用してからがっつんからの高切れはほぼしていません。
さらにリーダーの長さ調整でライン特性をカスタマイズ出来ます
例えばサーフやショアジギングはよく重いルアーをフルキャストする為、高切れのリスクが高いので5〜10mくらいの長めにする事でクッション効果を高めればルアーロストもかなり無くなるでしょう。
ブラックバス釣り等糸が浮く特性を少なくしたい時も15m程の超ロングリーダーにする事でリーダー自体が重りになり、フロロに近い使用感が得られます、ショートキャスト時はフロロと全く変わらないです。
当然キャストの時はPEの使用感です。
ちなみに自分はナイトシーバスでは3ヒロ(約5メートル)サーフ等では4ヒロ(約7メートル)にしています。
リーダーの結束はガイド通りの良いFGノットがおすすめです。
淀みないキャストとブレーキ設定
キャストを淀みなく行うことに関しては、正直文章では伝えきれませんが、穂先の急激な速度の変化をなくすイメージです。
それからキャスト後の穂先のブレをなるべく早く収束させる事、穂先のブレは糸が浮く事に繋がります。
ブレーキが安全圏でも、力んでキャストに淀みが生じたり、穂先がブレブレだと糸が浮いてがっつんブレーキに繋がるので、かなり大事なポイントです。
簡単な方法は100%でキャストしない事、自分は90%くらいがフルキャストと思ってキャストしてます。
ブレーキを弱めすぎないのは言わずもがな、当然ですね。
ベイトPEにおいて着水サミング以外のサミングが必要なブレーキ設定はめちゃくちゃリスキーです。
ワンミスで大事なルアーをロストしてしまうかもしれません、なので着水サミングだけでキャスト可能なブレーキ設定で尚且つ少しの風の変化やキャストの淀みでは糸が浮かないくらいがおすすめです。
しかし、自分もそうなんですが、飛距離にロマンを感じる人種は要注意です、出来心でブレーキを一目盛り下げてしまう事がよくあります笑
そんな時ってキャストも力むので、糸浮き→がっつんブレーキ→高切れという結果になりやすいです。
そんな人におすすめのNEWIDC5搭載のカルコンDC
ブレーキ設定1でかなり飛距離とトラブルレスのバランスが良いです。カルコンに関しては下記記事で詳しく書いてますので参考にどうぞ。
20カルカッタコンクエストdc100hgを1ヶ月(約50時間)使ってみた
アンタレスdcmdを使っていた時はブレーキ設定1でも98%は大丈夫なんですが、少しキャストが力むとかっ飛び棒が飛んでいってました笑
ブレーキ2にはしたくないって感情が邪魔でしたね笑
捨てキャスト
そして糸がみには捨てキャストを必ず忘れない事で対応出来ます。
ここまで長々と書きましたが、色々考えることは多いですが、慣れてしまえばPEのメリットだけを存分に感じられると思います。特に自分のようにエギング、河川シーバス、ライトショアジギング、サーフまでベイトタックルでやる人間には必要不可欠なので是非試して欲しいです。
ベイトPEおすすめです。
では。
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※この記事は2020年5月13日にアメブロにて掲載されたものです。
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